HAIKEI 工事記録⑦

今回は外壁について少し触れてみたいと思います。

一般的に多く採用されている外壁材の中でも特に多いのが窯業系サイディングです。セメントが主原料で14㎜~20㎜程度の厚みに幅455㎜~910㎜、長さは3,030㎜あり、これを縦に貼ったり横に貼ったりしていますが前川建築では巾910㎜、長さ3,030㎜を縦に貼って施工しています。 また未塗装のものを素板と言って現場で色を吹付けるか、サイディングメーカーの工場で塗装仕上げ済であるものを現場で貼って工期を短縮するものもあります。 では塗装は何のためにあるのか?勿論、色鮮やかに美しく仕上げるのも目的ですがもう一つの役割は雨の浸透を防ぐためのものでもあります。 いうなればお顔に塗るファンデーション(塗装)の役割で表皮、皮膚(サイディング)を守っています。特に富山県を含む北陸から東北、北海道にかけて寒冷地と言われる地域では冬場は氷点下になることも多く、塗装がしっかりしている新しい時期は問題ありませんが年月が過ぎると塗装が経年変化で劣化します。雨が当たると弾かれず、表面張力で塗装面から浸透してサイディングのセメント部分本体に雨がしみこみます。しみこんだ水分は氷点下で凍り体積が膨張します。ペットボトルを冷凍庫で凍らすと膨らむ現象がそれになります。凍って膨張した水分はセメント内部で亀裂や破裂を繰り返します。これを「外壁の凍害」と言って表面がボロボロと崩れてくる現象です。そのために家は10年~15年に一度はお色の吹き替え工事、再塗装をして外壁のコンディションを保つことが必要になります。長く住むと家がボロボロになるというのがまさにこれが原因です。

今回、HAIKEIでは「アクリルリシン塗装」から仕様をグレードアップして「弾性リシン」に見直しをかけました。通常10年を目処に外壁の再塗装のメンテナンスをお勧めしていますが弾性リシンで塗装で20年を目安にメンテナンスが延長出来、よりサスティナブルな家として変化します。表面は上の写真でもわかるように軽石のようなごつごつした感じでより質感の高い仕上げとなり質感を高めています。

また窓の黒ずみが両側窓の縦桟に流れ落ちたかのような汚れをよく目にすることがありますが前川建築では大気中の汚染、汚れの混じった雨が中連窓のすべてに伝え水防止水切りを取り付けることで壁から離れて水が切れるように、汚れがつきにくい対処がなされています。こうした細かな配慮が住む人の家への愛着につながると考えています。

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専務取締役

茶木 均Hitoshi Chaki

少年の心を持ったおじさんが時には真面目に、時には遊び心満載でつぶやきます。

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